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派遣のコツ
賢い「派遣」利用術
   

派遣で働く不安を解消

人材派遣で働く人は現在(平成17年発表の平成15年度の調査集計)、236万人に上ります。この中でも、一般労働者派遣事業の登録者は10.9%増加しており、なお右肩上がりの伸びを示している業界です。
ここでは2回に渡り、人材派遣で働くみなさんが、快適に働くための賢い派遣利用法を解説していきます。Part1は「派遣の不安を解消」、Part2は「収入アップの方法」について考えていきましょう。

派遣のしくみ

まずは、はじめて派遣で働く人のために、派遣の仕組みについて説明します。
派遣で働くみなさんは「派遣スタッフ」と呼ばれます。みなさんが登録する派遣会社を「派遣元」と呼び、みなさんが派遣されて、実際に働く職場を「派遣先」と呼びます。

派遣のしくみ

一般的な働き方と大きく違うのは、給与が派遣元から支払われるという点でしょうか。
派遣というのは、この三者間の契約であるため、トラブルが起きた場合には、「誰に言えばいいのかわからない」「言ってもとりあってもらえない」などの不満が出ることもあります。
みなさんが損をしないために、トラブルを未然に防ぐ方法や、皆さんを守る法律について、見てみましょう。

就業条件明示書

派遣会社に登録し、派遣先が決まると「就業条件明示書」が渡されます。
これには、業務の内容や、指揮命令者が書かれています。きちんと見ておくようにしましょう。
派遣のトラブルで「はじめに依頼されていた仕事と内容が違う」というものが多く発生します。この明示書で仕事の内容をよく確認しておきましょう。
就業時間、残業や休暇に関するものも、これで確認します。
「何かおかしいな?はじめの話と違うな?」と感じ、それがあなたの許容範囲を超えるものだったら、「就業条件明示書」を持って、派遣元に相談します。

派遣元が頼りない

そういうトラブルが起きたとき、派遣元に相談しても、なかなかとりあってもらえないという不満もよく聞きます。そういう時には、労働基準監督署に相談するのもいいのですが、その前に「社団法人日本人材派遣協会」(http://www.jassa.jp/)の相談センターに連絡してみてはどうでしょうか。ここのホームページは、派遣に関する制度や法律がよくわかり、加盟している派遣会社とのリンクなどもあるため、便利です。
また、「労働組合東京ユニオン」(http://www.t-union.or.jp/)という、派遣スタッフの労働組合もあります。「しばらく派遣で働くかもしれない」と思ったら、この組合に入っておくと安心かもしれません。

病気になったら

派遣で働く人の不安のひとつは「病気になったとき」のこと。
一般的な登録型の派遣は、派遣期間が切れると派遣元との雇用関係も終了するため、次の派遣先が決まるまでの間は「無保険」という人が少なくありませんでした。それをなくし、常に継続して保険加入ができるよう、「人材派遣健康保険組合」(http://www.haken-kenpo.com/)が設立されています。加入できないか、派遣元に相談してみましょう。

派遣の相談で多いもの

派遣スタッフの人からの相談事で多いのが「解雇や退職に関するトラブル」です。

例えばA子さんからの相談は「派遣期間は10月までということだったが、妊娠したので7月で辞めたいと申し出たら、『契約期間中に辞めることは許されない。10月まで働いてほしい』といわれた」というケース。
契約期間は特別な事由がない限り守らなければいけませんが、A子さんのような場合は、もちろん辞めてもかまいません。
派遣労働者は「労働者派遣法」で守られていますが、その前に「労働基準法」ですべての労働者が守られているのです。労働者が「辞めたい」と申し出た場合、それを断る権利は雇用者にはありません。

また、その逆でB子さんの相談は「10月までの契約だったのに、突然『仕事が暇になったので7月までで辞めてほしい』といわれた。派遣元は『すぐ次の派遣先を紹介するから』と言ってうやむやにし、そのまま派遣先も紹介されなかった」というケース。
雇用主は労働者を解雇する場合、一ヶ月前に告知するか、一か月分に当たる給与を支払う義務があります。特に派遣期間の途中で解雇された場合は、派遣元に相談して、派遣元で働くことで期間中の賃金をもらえたというケースもありますので、言われるままにせず、よく相談しましょう。

こういう「途中解雇」の場合を考えても、派遣スタッフのみなさんは、一般社員よりもさらに、「自分で自分を守る」という姿勢が必要になります。そうしないと損をすることもあるかも。派遣で働く人は、法律に強くなることが大事ですね。いざとなったら、泣き寝入りせずに、関係機関に相談しましょう。あなたの味方はたくさんいますよ!

   
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